思ったことをメモ的に書き散らかしているので、とっ散らかってます。
文章のていをなしてない。
【事件概要】
2018年(平成30年)1月20日滋賀県守山市の自宅で、桐生しのぶ(当時58歳)を長女:のぞみ(当時31歳)が殺害。
3月10日 滋賀県守山市今浜町の野州川河川敷で胴体部分の遺体発見。
5月17日 遺体の身元判明
6月5日 守山署は死体遺棄容疑で、滋賀県草津市笠山7丁目(住所は職場の寮)桐生のぞみ(31歳)を逮捕。4月から看護師として勤務していた。
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1986年(昭和61年)6月22日 桐生家の長女として、のぞみ誕生。
1993年(平成5年)4月 小学校入学(6歳)
1997年(平成9年)
小5:保育園に入る前から母は工場で検品のパートをしていたが、職場の人間関係がこじれ娘が小5の時に辞めた。以降、母は専業主婦。(P70)
1998年(平成10年)
小6:平成10年春に父と母が別居。父はビルメンテナンスの仕事をしていて、昼夜問わず呼出しあり。父は社員寮に単身で住むことにし、自宅には母娘が居住。P77
小6:激高した母が包丁を持ち出して母娘はもみ合いになり、娘の左腕に包丁があたり、皮膚がぱっくり裂けた。P69 今でも左腕に4cm程の傷跡あり(これは娘の証言のみ?受診歴あり?)
1999年(平成11年)3月 小学校卒業
1999年(平成11年)4月 中学校入学
国立の滋賀大学教育学部付属中学校は一次試験を通過したが、抽選(2倍の倍率)にはずれる。カトリック系の私立校(当時:創立10年)に進学。
2000年(平成12年)
中2:成績表を改ざんしたのが母にバレて、太ももに熱湯をかけられる。(P91~92)
2002年(平成14年)3月 中学校卒業
2002年(平成14年)4月 高校入学(エスカレーター式で進学)
2005年(平成17年)3月 高校卒業(高校卒業時の体重は52kg)
第一志望の滋賀医科大医学部医学科の偏差値は68。
のぞみの偏差値は58で、合格可能性はD判定(高3の秋)
高3では受験した全ての私大・国立大に不合格。
仮面浪人もできず、浪人することとなる。
受験から逃れるために、寮がある会社に就職しようと決意。
突発的に就職面接を受ける。(高校の制服で面接)
しかし後で面接した会社から自宅に電話がかかって来て、母親が勝手に辞退の返事をする。
確かに当時(2005年)は、子どもが20歳になるまで「親権」が有効だからね。
「親権」は強いよ。
親権は、身上監護権と財産管理権から構成。
・居所指定権(821条):子は親権者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。
・懲戒権(822条):親権者は、必要な範囲で自ら子を懲戒できる。
・職業許可権(823条):児童労働を許可する権限を親権者に与えることができる規定。
子が赤ちゃんでもモデルができるし、逆に10代の子が「アイドルやりたい」と言っても親が許可しなければできない。
・子の代理権:一定の身分行為につき親権者に法定代理人として代理権が認められている場合がある。スマホの契約。子がゲームソフトをBOOK OFFに売りたい時は、18歳未満はダメなので親が代わりに売りに行く。
・財産管理権(824条):親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。お年玉を親に預けていたら勝手に使われたと言う人がいたけど、それもこれに含まれているのかな。
居所指定権で住む場所を指定され(当時)20歳になるまで家から逃れられない。懲戒権で切りつけられて熱湯かけられても我慢。職業許可権でバイトも親の許可なくできないから経済も握られ何もできない。財産管理権でお年玉も取られ自由がないね。
成人=18歳に法改正されたのは2022年4月1日から。
それにより、親権も子が18歳までは有効。
2008年12月26日早朝(5回目の大学受験を控えた)母が睡眠薬をODして滋賀県立総合病院へ救急搬送される。
この大学全入学時代に、9浪する人もいるんだ。
私大の医学部だったら入れるところあったろうに。
母は家から通える国公立の医学部に拘っていた。
2014年1月
医学部看護科を受験し、ようやく合格。現役受験から10年経過。
当時の体重は92kg。
のぞみが完全なる被害者かというと、そうでもなく。
高校生時代は、「(職員会議で)問題のある生徒一覧にのぞみの名前が挙がっていた」
との国語教師(担任ではない)の法廷証言あり。(P109)
大学生時代にはバスの乗車券偽造で警察に突き出され、のちに不起訴。書類送検。
↓ のぞみのtwitter ↓
twitter.com
これを見るとテレビドラマの静止画(自宅のテレビ画面)を違法アップロードばかりしているし。「違法アップロード!」「つかまるよ!」
父と母は姻族なので別れたら他人だけど、子どもは血族だから父母2人からは逃れられないんだなぁ。
この本で印象に残っているのが(P87~88)
のぞみと同じ保育園・小学校に通い一緒に登下校していたA子が、事件後に警察の事情聴取を受けて「(のぞみは)いつも上下のミッキーとかださい格好をしていたし、デブだったから、一緒に並んで歩くのが恥ずかしかった。」と供述調書に書かれていたこと。事件と直接的には関係ないような小学生時代の学友にも事情聴取するんだーというのが率直な感想。
そして相手にこんな風に思われていたんだぁ~と知ったら、顔が真っ赤化だよ。
恥ずか死。
特に目新しい出来事ではない。
教育虐待で子どもが親を殺害したり、親が子どもを殺害した事件は定期的にある。
・金属バット両親殺害事件(1980年・神奈川)は息子(2浪の予備校生:20歳)が両親を殺害。父は東大卒・母は専業主婦。息子の精神鑑定の結果、発達障害があり飲酒の影響があるなかでの犯行。
子どもが両親を殺害。
・元農林水産事務次官長男殺害事件(2019年・東京)は東大卒の元農林水産事務次官(当時76歳)が暴力をふるう息子(当時44歳)を殺害した事件。息子は精神疾患で薬物治療を受けていて、2018年には医療保護入院していた。
こちらは親が子どもを殺害。
子ども側に発達障害・精神疾患があることを理由にするのは、弁護士の常套手段手段なのかな。平時:精神疾患だからその延長線上で殺人を遂行したわけではなく、殺人行為というのは異常な精神状態下でないと遂行されないのでは?
ご飯食べる感覚・マンガ読む感覚・息を吸うような感覚で殺人できる?
逆に異常な精神状態下で遂行されない殺人の方が恐ろしいよ。
で、のぞみも
【一審の精神科医による精神鑑定の結果(のぞみが)中程度の自閉症スペクトラム障害と診断されており、そのことが状況判断の悪さや、場当たり的な言動に結びついたと説明した(判決では自閉症スぺクトラム障害と犯行の因果関係を認めていない)。】P57
親か子か、どちらかが死ななければ解決しない事案とは。
命を懸けるほど、学歴は重要なものなんだろうか。
自分は親に勉強や学歴面で何か言われたことがないので、母親・娘のどちらに対しても理解・共感ができない部分が多かった。
大谷翔平選手や藤井聡太棋士の両親が「将来は野球選手になりなさい!」「絶対に棋士になるのよ!」などと言い、彼らがなったわけがない。本人が「これをやりたい」「こうなりたい」と自ら選択して努力したからこそ、現在の立ち位置にいるわけで。
結局、最大の疑問「なぜ母が娘を医者にすることに固執するのか」「娘が看護学科に入学して看護師になるために勉強しているのに、次は助産師になりなさい」と言い出したのかが解明されていない。
ここにあるのは、のぞみ側の一方的な自分語りであり、あの時こうだった。ああだった。というのばかり。
母親に切り付けられたり、熱湯かけられた時の受診記録は残っていたの?
のぞみが大学受験するにあたり、母親が家から通える国公立医学部に入学させようとした最大の理由、その核心部分が全て推察に終始。
母親がどのような考え・思考なのかが推察だけ。
それがこの事件で1番知りたい核の部分なのに、娘の一方的な視点のみが語られる。
佐野眞一「東電OL殺人事件」もそんな感じだったな。
父親も娘も、母親がおかしいことに気づきながら、何故放置していたのだろう。
前頭葉機能が衰退(血流低下)・脳の偏桃体が委縮していたのでは?
のぞみが中程度の自閉症スペクトラム障害(発達障害)だったのなら、異常とも思える言動からして母親にも何らかの脳機能障害の疑いがあったのでは?
母親の異常さを認識しながらも、受診を勧めない家族。
一審の精神科医による精神鑑定の結果(のぞみが)中程度の自閉症スペクトラム障害と診断したということは、医療観察法の適用はないということ?(安倍晋三元総理を銃撃した山上容疑者には適用されて鑑定留置)
重大な他害行為には該当しないという判断?
著者(斎藤彩)がこの事件に関して第三者の立場として、中立な視点で母側・娘側を分析し公平に書いているのかと思ったけど、死人に口なし。
結局は娘側の一方的な解釈・語りで、母側の心理は考察・推察ばかり。
これでは判断しようがない。
あとこの本の作中では、母を高崎妙子(仮名)・娘を高崎あかり(仮名)で表現している。なぜ仮名したのか理由は一切触れられていなくて、この本に書かれている内容は全て著者のフィクションなの?と一瞬思った。
文中でも【「あかり」という名前は、両親や社会にとっての「明かり(光、灯火)」となるようにとの願いを込めて母がつけたもので~】(P61)と書いていて、いやいや娘の名前は「のぞみ」でしょ!とツッコみ。
仮名にするなら、上記の一文は不要。ここに虚偽を出されると、作品すべてが嘘だと思われる恐れあり。
最初に「こういう理由で仮名にしています」と一言記述していたら、また違ったけど。そこに違和感。
文末が【それがいまの、ささやかなのぞみだ。】(P282)で締めくくられているんだけど、最後に「あかり」の本名をさりげなく出して、うまく締めたとドヤってるんだろうか。
前書きで、この本は著者とあかりの「二人の合作」(P14) と言っているわりには、著者欄には斎藤彩の名前だけ。印税の分配ってどうなってるの?
他人の殺人事件をネタに飯喰うってすごい仕事だね。
片側の話だけで問題提起するのみで、解決策を複数提示するわけでもなく、批判だけを煽る手法に疑問を感じる。
もし、あなたが困難に直面しているのなら、迷わず相談すべし。
彼女みたいになる前に。
現代社会はどの分野も予防に移行してきている。
例えば虫歯になってから治療するのではなく、むし歯にならないよう予防に力を入れている。
新法「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が2024年4月1日に施行される。婦人相談所は都道府県に必置義務があり(1県に1つ必ずある)、市には任意配置なので近所にはないかもしれないけど。
名称は都道府県によって「婦人相談所」「女性相談センター」「女性相談支援センター」などと異なるので、居住地の相談先を検索して相談して欲しい。
インボランタリークライエントとボランタリークライエントの2種類いる。
インボランタリークライエントとは、
「本人が問題を感じながらも問題に関する明確な認識がない。もしくは、感じていても相談することについて抵抗感・戸惑い・不信感があり自発的に相談機関・専門施設にアクセスするのを困難を感じている非自発的クライエントである。」
ボランタリークライエントとは、
「自分自身や家族が生活課題を抱えているが、その解決には外部の専門家の協力が必要であると自覚している人をボランタリークライエントと呼ぶ。」
ボランタリークライエントとなり、自分で自分の未来を守って欲しいよ。