「母」青木さやか

             

 

ネットサーフィンしている時に、たまたまパチンコの話を読んだ。

展開が面白くて印象に残った。

本人が実際にエッセイを書いているのか、本人のインタビューをライターさんがまとめたのかは分からないが、面白いなぁと。

クスリと笑えたり、ハッとさせられたり。

後でWEBサイト「婦人公論JP」の連載だったと知り、書籍を読んでみた。

会話文が多用されていて、あっという間に読み終わる。

 

【わたしはわたしが嫌いだから、わたしのことを好きだという人を一番信用できないのだ。】(P84)

 

下ネタがダメなのが意外だった。

「小山さんノート」感想

小山さん:都内にある公立公園のテント村で生活する女性

2013年12月27日65歳で亡くなる。

彼女が書いた日記A6サイズのノート80冊が残る。

それを有志が8年かけて文字起こし、その一部分が「小山さんノート」として世に出た。

 

第3章(P134)までしか読んでない。

主語がない文章で、何について述べているのか、よく理解できなかった。

【  】内は「小山さんノートより引用部分。

 

【昭和五十四年二月二日、二時を忘れず心にきざんでいた。見捨てられた我が身と魂をゆがませていたが、あれよりちょうど二十二年。二十三年目を迎える。】

(2001年2月2日・P34 )

 

昭和54年2月2日に何があった?

文章の前後に何の説明もないので、理解できない。

2013年に65歳ということは、昭和23年(前後)生まれ。

昭和54年、小山さん30歳くらいの時に何があった。

母親が亡くなった日なのかな?と思ったら、母の命日は4月7日みたい。(P53)

しかし(2001年4月7日で)母の23回忌と書いているから、母親関連なのかな。

 

【2月22日

福祉にも向かった。芸術や文学を志し、売れずに生き、持続する人を助ける機関はないものかとたずねたが、ないと言う。千円借り、新たな出溌に歩んだが、現実は厳しい。】(2001年2月22日・P37 )

 

福祉事務所などに相談に行ってたのか~

ビッグイシューをやればいいのでは?と思った。検索するとビッグイシュー開始したのが2003年9月。この時2001年。まだネット・ブログもそんなに普及してないのか。

 

【四十歳まで、年金、国民保険も入っていたが、もう十二年もたち、私は国に見捨てられた】(P64~65)

【兄も警視庁でたのむと電話を切られた三年前…。公衆電話でTelした時、留守のテープがあった。私は泣きながら、公園ではもう生きていけませんと、一人叫んでいた。】(

P72 )

兄・姉がいる。甥・姪もいる。

体重42kg(P56)

 

【時間の許される限り、私は私自身でありたい。】

(2001年2月26日・P39 )

帯に掲載されているコピー文言。

 

【半年以上持続して勤めたことはなかった。大金には縁がなかったが、四十歳までは人に必要な最低の物とお金がとぎれることがなかったのに、四十歳過ぎてからこの十二年間、あまりにもひどい状態に追い込まれ、(以下略)】

(P42)

 

小山さんはテントで「共にいる人」と表記される男性と一緒に生活している。

しかし度重なる暴力(DV)に辟易した小山さんは、2001年8月20日に1人で別の場所に移動する。

【この出逢いの原因は、平成二年、上京の時、部屋を借り、近くの店の食事処に通う一人の宗教信者詐欺のため、大変な迷惑を受け、交番に行ったが、常習犯だ、逃げろ逃げろと旅の用意をしている時、アルバイト一日目で現在の人が、事情を聞き、自立するまで食料は出す、洗たく、そうじ、留守のみで良いとの条件で、一、二日手伝いに行ったが、あまりにも狂気な面を見て、これはダメだと思ったが、荷物運び、もう帰る場所がなくなっていた。】(2001年3月19日・P45~46)

 

共にいる人(男)との出会いを記述しているんだろうけど、上記の文章が理解できない自分は読解力がないのだろうか。バイト1日目で出会った職場の人(?)がトラブルを聞いて「うちに来なよ」と言い、同居したということ?

 

【十年近く、本質のかみあわぬ人と縁あり、私生活共にくらしてきたが、昨年夏、八月二十日よりそれぞれの自立を志し、とりあえず一人仮テントを作り様子を見ている状態だ。(中略)平成十年四月末頃より、過去住んでいた地より離れ、警さつ官にあぶないのでとりあえず公園に行き待機していなさいと、十五ふくろばかり荷物を運び恐いテント生活に入ったが、(以下略)】(2002年1月7日・P122 )

 

【一度二度住まいを変え、部屋を借りるときは不動産回りに妻と言えと言い、借りて荷物を運んだとたん、主導権は俺だと少しのことで怒りなぐり、中よりカギをしめて追い出されること数百回。逃げて逃げて歩きなさいと交番に言われても、もう逃げきれず、やっと十年ぶりで小さな巣をつくったが、あぶなく心配で眠れないとたびたびたずね、もどれと叫んでいく五ヶ月近くは、完全な自立にはならない。】(2002年1月19日・P128 )

 

【ケーコちゃんお酒を飲む… ?】(P111)と声をかけられる。

小山さん=「こやま けいこ」なのかな。

 

2002年10月7日に共の人が急死したみたい。(当日の日記は掲載なし)

 

 

このノートが世に出ることを小山さんは望んでいたのかな。

亡くなったあとで評価されて、小山さんは嬉しいのかな。

小山さんの言葉を借りるのなら「芸術や文学を志し、売れずに生き、持続する人」に生きてる時になぜ光をあてられないの。

この言葉が適切かどうかは分からないけど、時代なのかな。

今ならSNS(インスタ)があるから、個人でいくらでも発信できるけど。

うまくやれば広告収入を得られるだろう。

しかし「時代」で片付けていいのだろうか。

 

気分が悪く、頭が痛くなってきて、もうこれ以上読むのをやめた。

 

 

 

 

 

 

2023年の小中高生の自殺513人

 

2023年の小中高生の自殺者数が513人に上った。

過去最多だった前年(2022年:514人)から高止まりしていることが警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。(2024年3月29日発表)

新型コロナウイルス禍の影響とみられる。

 

【内訳】

小学生:  13人

中学生:153人

高校生:347人

 

参考記事→ https://www.toonippo.co.jp/articles/-/175018

「この顔と生きるということ」 岩井建樹

「この顔と生きるということ」 岩井建樹

 

      

著者は、朝日新聞記者。

2010年に生まれた記者の息子が、顔面表情筋の不形成だったことから「見た目問題」に興味を持つ。見た目問題のあらゆる当事者に取材し、まとめた1冊。

表紙の下中央に映る男児が、息子さん。(著者名の左側)

視点・切口に斬新さを感じた。

「見た目問題」の当事者が発信するのではなく、その関係者による視点。

 

当事者は口々に「普通になりたい」「どうして自分は普通じゃないんだ」と言うけれど、普通って何?

みんな「普通」に縛られている。

それも他人軸の「普通」。

 

どんな立場の人でも、みんな同じことを言うんだね。

不妊症の女性は「どうして自分には子どもができないんだ。みんな結婚したら自然に妊娠して第2子・第3子と次々と子どもを産んでいる。それが普通。どうして自分は普通じゃないんだ。普通になりたい。」

看護師国家資格試験(例年合格率約90%前後)に不合格だった人も「何故自分は落ちたのか。ガリ勉しなくても普通に勉強したら、みんな合格している。どうして自分は普通(90%側)じゃないんだ。」

不登校・引きこもりの人は「クラスメイト・同級生は、小学校・中学校・高校と毎日普通に通っている。自分は何故普通じゃないんだ。」

フルタイムで働くママも「職場の人は、フルタイムでも仕事・家事・育児もそつなくこなして、第2子・第3子と産んでる。普通にやってる。自分は子ども1人でも手一杯。髪もボサボサだし、身だしなみにも気を使えない。全てがテキパキできない。1つ1つのことを考えてからじゃないと行動できない。何故、他の人が普通にできることが自分はできないんだ。普通になりたい。」

どんな人でも、口を揃えて同じことを言うのに驚愕。

皆が口々に言う「普通」=中央値・平均値ということ。

例えば、日本人成人女性の平均身長は158.1cm。

それから大きく外れると服や靴の選択肢が限られて、生活しづらい。

 

この本とは無関係だけど、ある子が「ギムキョーは(義務教育期間:小学・中学)普通でいることが最高の価値観」と言っていたことを思い出す。良くも悪くも平均値・中央値=普通からはみ出すと目立って叩かれるみたい。

昭和の悪口→チビ・のっぽ・デブ・ガリガリ・ハゲ・ブス・バカなど。平均値・中央値から外れると何かと批判の対象となり、生きづらい。

 

単純性血管腫の男性(三橋さん)は顔に赤いアザがある。

【「すれ違いざま、『おまえみたいな顔のやつは自殺するでしょ、普通』と言われました。思春期に、こんなことを言われたら精神的につぶれてしまいますよね。自分を保つために、心の中で悪口を言った相手に対し、『うるせぇ、殺してやる』と反発していました。一方で、『確かに、こういう症状がある人は自殺するかもしれないな。それが正しいかもしれないな』と思う自分もいました。(P44~45)】

このアンビバレンス(両価性)の葛藤・矛盾が、男性のまっすぐな成長・思考・生き方を現しているなと感じた。

フレーミングできる健康的な成長の証。(リフレーミングとは、物事や出来事・状況などの枠組み(フレーム)を変えることで、別の視点を持つこと。有名な例:コップに入った半分の水を「あと半分しかない」と取るか「あと半分もある」と捉えるか。)

発言者のように、ひとつの視点でしか物事を見れない・判断できない人(場合)は問題を起こしやすいなと感じる。(例:ミスしても「自分は絶対に間違っていない」と言い張る人・レジ店員が誰にでも笑顔で対応しているだけなのに「俺に色目を使ってきた」「自分に気がある」など主張し、待ち伏せする人も一定数いるし。)

 

アルビノの男性が言う【(前略)だって、どんなことでもアルビノのせいにしたら、自分にできることは何もなくなって、人生詰んじゃうじゃないですか。それでは、自分が成長できない。(後略)。(P145)】が答えでは?

 

外見に特徴がある人のなかでも「どうしたの?」と訊いてくれたら説明したいと考えの人もいるし、一切聞かないで(触れないで)スルーして欲しい人もいる。人によって正解が異なるから、接する側はどう対応していいか分からない。

 

でも現代は、義手・義足・車椅子で生活している人などがSNSYouTubeで日常生活や朝の身支度・メイクなど発信・紹介している人も増えてきている。それを見て「へぇ~」「そういうことが大変なんだ~」とか興味や関心を持つ人も増えてきている。こうして裾野を広げていくことも可能性の1つなのかなと思う。

山田千紘さんの存在を知った時は、年金未納で障害者になるというのは、恐ろしいなぁと震えが走った。山田さんを年金納付のポスターに使ったら納税効果あるのでは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼっちな食卓」 岩村暢子

「家族の勝手でしょ!」から読み続けている、シリーズ(?)の最新作!

今回も新しい発見・斬新な視点があり、参考になった。

 

母親と子どもの関係が異様になってきている。(P48~)

以前は友だち親子が話題になったけど。今や推し活みたいになってる。

子どもが3人いても、そのなかで「気が合う子」「気の合わない子」に分かれ、その内の1人だけオキニ(お気に入り)で、その子とだけ出かけたりお金かけたりする。

 

中でも目から鱗だったのは、この部分。

【データでは、高校生以上で「料理」をする(料理ができる)子どもは圧倒的に男の子で、調理のアルバイト経験者であることが分かっている。女の子のアルバイトは飲食店でもフロアサービス中心で、男の子は厨房経験者が多いことと関係するようだ。(P58)】

女の子は厨房を希望してもホール(フロア)に回されてしまうんだ!

確かに病院の受付・サービスカウンターの受付・レジなど接客業務は女性ばかり。

他の会社を訪問した時に、窓口にいるのもお茶出ししてくれるのも必ず女性。

不思議に感じてた。

バイトで厨房希望でもホールに回されるのが女性というものなのか。

 

10 ダイニングテーブル(食事用テーブル)の項目も、なるほどねぇと思った。(P90)

多くのダイニングテーブルは4人がけ。そこからあぶれた人は家族からもはじかれてしまうんだなと。

子どもの人数が増えても、椅子を増やしたりしないし。

うちも椅子が1脚壊れた時に、椅子を買い足すことはせずに、交代で食べて済ませていたよ。

 

結局人間は楽な方に流される生き物。

使ったら洗わないといけないなら、最初から使わないし。

誘っても断る人は誘わなくなるし、相手にするのが時間の無駄。

【食事の偏りも、すべてストレスが原因。(中略)しかし「何によるストレスか」を尋ねて具体的に答えられた人にはまだ会っていない。しいて言えば、やりたいことをやりたいようにさせてくれない家族や職場、人間関係を挙げる人が多かった。(P131)】

やりやいようにできないってかなりのストレスじゃない?

飲食店でトイレ1つしかない場所で、トイレに行きたい時に中に入っている人がいたり。

書店やレンタル店などで店内の在庫検索機を使いたい時に、使っている人がいたり。

スーパーで洗剤を取りたいのに、棚の前でじっくり見比べて吟味している人がいると、ストレスとまでは言わないけど、う~ん。。。となる。

少し時間を空けてまた再度その場所(トイレ・検索機・棚)に行ってみたら、また違う人がいたりすると、もういいわ~となる。

あと、他人と生活していると全てのやり方が違いすぎて、びっくりする。

 

【単身赴任や交代制勤務の夫の恒常的な不在を前提に、妻は実家に入り浸って「娘返り」したり(P145)】が衝撃的。赤ちゃん返りはよく聞くけど、「娘返り」もあるんだ。

 

総じて、世の中が便利になったということなのかな。

コンビニで24時間・365日いつでも食べ物が手に入る時代。

食べたい時に、食べたい物を、食べたい量だけ買える。

販売している弁当・惣菜・冷凍食品などの品質も向上しているし。

大雨・大雪でも注目度の高いスポーツの国際試合放送中でも、ウーバーでホットコーヒー1杯でも届けてくれるし。

 

著者は、キューピー株式会社の顧問を2023年9月で辞めたみたい。

あとがきに「体調悪い」みたいなことを書いていた。

 

新刊が発売されるたびに毎回思うことは、著者(岩村暢子氏)の1週間の食卓を見てみたいということ。さぞかし完璧なんだろうね。

1日3食×7日は1度も欠食なく、全て手作りで、温かい物は温かく。冷たい物は冷たく。食卓を花が彩り、季節感あふれ、適した食器や器が並べられ。

他人を批判するのなら、自分はさぞかし完璧な食生活なんだろうねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【社会福祉】フォーマル・インフォーマル について

社会福祉のフォーマル・インフォーマルについて理解できていますか?

 

第26回 社会福祉士国家資格試験 過去問 111

社会資源に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。


①同じニーズをもったクライエントが地域に一定数存在する場合は, クラスアドボカシーを行うことで, 社会資源の開発を行う。
② 社会資源を活用する際は, クライエントの家族や周囲の人の負担を減らすためにフォーマルなものを優先する。
③社会資源の開発はクライエントにとって負担になるので, 開発の役割はソーシャルワーカーが担う。
④社会資源の開発に当たっては, 住民が自ら問題解決能力を高めていくことを目的としたソーシャルアクションがある。
⑤クライエントを依存的にさせず, 問題解決能力を高めるためには, 社会資源の活用を控えた方がよい。

 

 

 

正答:①

 

第30回  社会福祉士国家資格試験 過去問 111

ソーシャルワークで活用されるインフォーマルな社会資源の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

 

① 制度化されたサービスである。

利用者は、一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

利用者との私的な人間関係を通して、援助が提供される。

フォーマルな社会資源と比べ、提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

フォーマルな社会資源と比べ、利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

 

正答:③

 

社会福祉士の国試を受験する前までは、フォーマルとは母親が卒業式・入学式に着用するスーツのことだと思っていた。

胸元にコサージュつける系スーツ。

これを話すと、冗談・ギャグ・ネタ・ウケ狙い・ツッコミ待ちなどと指摘されるのですが。

紳士服のチラシや店頭の旗で「レディース フォーマル」としてこのような服が掲載されています。胸にコサージュを付けて幼稚園・小学校・中学校・高校の卒業式や入学式に母親が着用するような、ちょっといいスーツです。分かりますかね?

黒・紺・茶・灰色といったビジネススーツとも違う、クリーム系・ベージュ・水色など淡い色のスーツです。

あの服装を「フォーマル」と呼ぶと、思ってました。

女性皇族の方々が着用しているようなスーツもフォーマルかな。

紳士服のチラシで喪服は「ブラック フォーマル」と載ってます。

 

 ↑ ↑ 紳士服・スーツのはるやま のぼり旗 ↑ ↑

 

自分の中では、フォーマル=母親が卒業式(入学式)で着る服なんですよ。

だから「フォーマルな社会資源」「インフォーマルな社会資源」と言われても

フォーマルな社会資源→母親が卒業式(始業式)に着るスーツの社会資源 

となり、??????となってしまったのです。

 

正解は、フォーマル=公式・正式

フォーマルスーツは、公式な場でのスーツという意味なんでしょう。

 

今でも紳士服のチラシが入ると「フォーマル」が掲載しているかチェックしてしまう自分がいる。。。

 

 

 

 

 

 

「母という呪縛 娘という牢獄」 斎藤彩

思ったことをメモ的に書き散らかしているので、とっ散らかってます。

文章のていをなしてない。

 

【事件概要】

2018年(平成30年)1月20日滋賀県守山市の自宅で、桐生しのぶ(当時58歳)を長女:のぞみ(当時31歳)が殺害。

3月10日 滋賀県守山市今浜町の野州川河川敷で胴体部分の遺体発見。

5月17日 遺体の身元判明

6月5日 守山署は死体遺棄容疑で、滋賀県草津市笠山7丁目(住所は職場の寮)桐生のぞみ(31歳)を逮捕。4月から看護師として勤務していた。

 

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1986年(昭和61年)6月22日 桐生家の長女として、のぞみ誕生。

1993年(平成5年)4月 小学校入学(6歳)

1997年(平成9年)

小5:保育園に入る前から母は工場で検品のパートをしていたが、職場の人間関係がこじれ娘が小5の時に辞めた。以降、母は専業主婦。(P70)

1998年(平成10年)

小6:平成10年春に父と母が別居。父はビルメンテナンスの仕事をしていて、昼夜問わず呼出しあり。父は社員寮に単身で住むことにし、自宅には母娘が居住。P77

小6:激高した母が包丁を持ち出して母娘はもみ合いになり、娘の左腕に包丁があたり、皮膚がぱっくり裂けた。P69 今でも左腕に4cm程の傷跡あり(これは娘の証言のみ?受診歴あり?)

1999年(平成11年)3月 小学校卒業

1999年(平成11年)4月 中学校入学

国立の滋賀大学教育学部付属中学校は一次試験を通過したが、抽選(2倍の倍率)にはずれる。カトリック系の私立校(当時:創立10年)に進学。

2000年(平成12年)

中2:成績表を改ざんしたのが母にバレて、太ももに熱湯をかけられる。(P91~92)

2002年(平成14年)3月 中学校卒業

2002年(平成14年)4月 高校入学(エスカレーター式で進学)

2005年(平成17年)3月 高校卒業(高校卒業時の体重は52kg)

第一志望の滋賀医科大医学部医学科の偏差値は68

のぞみの偏差値は58で、合格可能性はD判定(高3の秋)

高3では受験した全ての私大・国立大に不合格。

仮面浪人もできず、浪人することとなる。

 

受験から逃れるために、寮がある会社に就職しようと決意。

突発的に就職面接を受ける。(高校の制服で面接)

しかし後で面接した会社から自宅に電話がかかって来て、母親が勝手に辞退の返事をする。

 

確かに当時(2005年)は、子どもが20歳になるまで「親権」が有効だからね。

「親権」は強いよ。

親権は、身上監護権と財産管理権から構成。

・居所指定権(821条):子は親権者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。

・懲戒権(822条):親権者は、必要な範囲で自ら子を懲戒できる。

・職業許可権(823条):児童労働を許可する権限を親権者に与えることができる規定。

子が赤ちゃんでもモデルができるし、逆に10代の子が「アイドルやりたい」と言っても親が許可しなければできない。

・子の代理権:一定の身分行為につき親権者に法定代理人として代理権が認められている場合がある。スマホの契約。子がゲームソフトをBOOK OFFに売りたい時は、18歳未満はダメなので親が代わりに売りに行く。

・財産管理権(824条):親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。お年玉を親に預けていたら勝手に使われたと言う人がいたけど、それもこれに含まれているのかな。

居所指定権で住む場所を指定され(当時)20歳になるまで家から逃れられない。懲戒権で切りつけられて熱湯かけられても我慢。職業許可権でバイトも親の許可なくできないから経済も握られ何もできない。財産管理権でお年玉も取られ自由がないね。

 

成人=18歳に法改正されたのは2022年4月1日から。

それにより、親権も子が18歳までは有効。

 

2008年12月26日早朝(5回目の大学受験を控えた)母が睡眠薬をODして滋賀県立総合病院へ救急搬送される。

 

この大学全入学時代に、9浪する人もいるんだ。

私大の医学部だったら入れるところあったろうに。

母は家から通える国公立の医学部に拘っていた。

 

2014年1月

医学部看護科を受験し、ようやく合格。現役受験から10年経過。

当時の体重は92kg。

 

のぞみが完全なる被害者かというと、そうでもなく。

高校生時代は、「(職員会議で)問題のある生徒一覧にのぞみの名前が挙がっていた」

との国語教師(担任ではない)の法廷証言あり。(P109)

大学生時代にはバスの乗車券偽造で警察に突き出され、のちに不起訴。書類送検

 

↓ のぞみのtwitter ↓

twitter.com

これを見るとテレビドラマの静止画(自宅のテレビ画面)を違法アップロードばかりしているし。「違法アップロード!」「つかまるよ!」

 

父と母は姻族なので別れたら他人だけど、子どもは血族だから父母2人からは逃れられないんだなぁ。

 

この本で印象に残っているのが(P87~88)

のぞみと同じ保育園・小学校に通い一緒に登下校していたA子が、事件後に警察の事情聴取を受けて「(のぞみは)いつも上下のミッキーとかださい格好をしていたし、デブだったから、一緒に並んで歩くのが恥ずかしかった。」と供述調書に書かれていたこと。事件と直接的には関係ないような小学生時代の学友にも事情聴取するんだーというのが率直な感想。

そして相手にこんな風に思われていたんだぁ~と知ったら、顔が真っ赤化だよ。

恥ずか死。

 

特に目新しい出来事ではない。

教育虐待で子どもが親を殺害したり、親が子どもを殺害した事件は定期的にある。

・金属バット両親殺害事件(1980年・神奈川)は息子(2浪の予備校生:20歳)が両親を殺害。父は東大卒・母は専業主婦。息子の精神鑑定の結果、発達障害があり飲酒の影響があるなかでの犯行。

子どもが両親を殺害。

・元農林水産事務次官長男殺害事件(2019年・東京)は東大卒の元農林水産事務次官(当時76歳)が暴力をふるう息子(当時44歳)を殺害した事件。息子は精神疾患で薬物治療を受けていて、2018年には医療保護入院していた。

こちらは親が子どもを殺害。

 

子ども側に発達障害精神疾患があることを理由にするのは、弁護士の常套手段手段なのかな。平時:精神疾患だからその延長線上で殺人を遂行したわけではなく、殺人行為というのは異常な精神状態下でないと遂行されないのでは?

ご飯食べる感覚・マンガ読む感覚・息を吸うような感覚で殺人できる?

逆に異常な精神状態下で遂行されない殺人の方が恐ろしいよ。

で、のぞみも

【一審の精神科医による精神鑑定の結果(のぞみが)中程度の自閉症スペクトラム障害と診断されており、そのことが状況判断の悪さや、場当たり的な言動に結びついたと説明した(判決では自閉症スぺクトラム障害と犯行の因果関係を認めていない)。】P57

 

親か子か、どちらかが死ななければ解決しない事案とは。

命を懸けるほど、学歴は重要なものなんだろうか。

 

自分は親に勉強や学歴面で何か言われたことがないので、母親・娘のどちらに対しても理解・共感ができない部分が多かった。

大谷翔平選手や藤井聡太棋士の両親が「将来は野球選手になりなさい!」「絶対に棋士になるのよ!」などと言い、彼らがなったわけがない。本人が「これをやりたい」「こうなりたい」と自ら選択して努力したからこそ、現在の立ち位置にいるわけで。

 

結局、最大の疑問「なぜ母が娘を医者にすることに固執するのか」「娘が看護学科に入学して看護師になるために勉強しているのに、次は助産師になりなさい」と言い出したのかが解明されていない。

ここにあるのは、のぞみ側の一方的な自分語りであり、あの時こうだった。ああだった。というのばかり。

母親に切り付けられたり、熱湯かけられた時の受診記録は残っていたの?

のぞみが大学受験するにあたり、母親が家から通える国公立医学部に入学させようとした最大の理由、その核心部分が全て推察に終始。

母親がどのような考え・思考なのかが推察だけ。

それがこの事件で1番知りたい核の部分なのに、娘の一方的な視点のみが語られる。

佐野眞一「東電OL殺人事件」もそんな感じだったな。

 

父親も娘も、母親がおかしいことに気づきながら、何故放置していたのだろう。

前頭葉機能が衰退(血流低下)・脳の偏桃体が委縮していたのでは?

のぞみが中程度の自閉症スペクトラム障害発達障害)だったのなら、異常とも思える言動からして母親にも何らかの脳機能障害の疑いがあったのでは?

母親の異常さを認識しながらも、受診を勧めない家族。

 

一審の精神科医による精神鑑定の結果(のぞみが)中程度の自閉症スペクトラム障害と診断したということは、医療観察法の適用はないということ?(安倍晋三元総理を銃撃した山上容疑者には適用されて鑑定留置)

重大な他害行為には該当しないという判断?

 

著者(斎藤彩)がこの事件に関して第三者の立場として、中立な視点で母側・娘側を分析し公平に書いているのかと思ったけど、死人に口なし。

結局は娘側の一方的な解釈・語りで、母側の心理は考察・推察ばかり。

これでは判断しようがない。

 

あとこの本の作中では、母を高崎妙子(仮名)・娘を高崎あかり(仮名)で表現している。なぜ仮名したのか理由は一切触れられていなくて、この本に書かれている内容は全て著者のフィクションなの?と一瞬思った。

文中でも【「あかり」という名前は、両親や社会にとっての「明かり(光、灯火)」となるようにとの願いを込めて母がつけたもので~】(P61)と書いていて、いやいや娘の名前は「のぞみ」でしょ!とツッコみ。

仮名にするなら、上記の一文は不要。ここに虚偽を出されると、作品すべてが嘘だと思われる恐れあり。

最初に「こういう理由で仮名にしています」と一言記述していたら、また違ったけど。そこに違和感。

 

文末が【それがいまの、ささやかなのぞみだ。】(P282)で締めくくられているんだけど、最後に「あかり」の本名をさりげなく出して、うまく締めたとドヤってるんだろうか。

前書きで、この本は著者とあかりの「二人の合作」(P14) と言っているわりには、著者欄には斎藤彩の名前だけ。印税の分配ってどうなってるの?

他人の殺人事件をネタに飯喰うってすごい仕事だね。

 

片側の話だけで問題提起するのみで、解決策を複数提示するわけでもなく、批判だけを煽る手法に疑問を感じる。

 

もし、あなたが困難に直面しているのなら、迷わず相談すべし。

彼女みたいになる前に。

現代社会はどの分野も予防に移行してきている。

例えば虫歯になってから治療するのではなく、むし歯にならないよう予防に力を入れている。

新法「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が2024年4月1日に施行される。婦人相談所は都道府県に必置義務があり(1県に1つ必ずある)、市には任意配置なので近所にはないかもしれないけど。

名称は都道府県によって「婦人相談所」「女性相談センター」「女性相談支援センター」などと異なるので、居住地の相談先を検索して相談して欲しい。

 

インボランタリークライエントとボランタリークライエントの2種類いる。

インボランタリークライエントとは、

「本人が問題を感じながらも問題に関する明確な認識がない。もしくは、感じていても相談することについて抵抗感・戸惑い・不信感があり自発的に相談機関・専門施設にアクセスするのを困難を感じている非自発的クライエントである。」

ボランタリークライエントとは、

「自分自身や家族が生活課題を抱えているが、その解決には外部の専門家の協力が必要であると自覚している人をボランタリークライエントと呼ぶ。」

 

ボランタリークライエントとなり、自分で自分の未来を守って欲しいよ。