「ぼっちな食卓」 岩村暢子

「家族の勝手でしょ!」から読み続けている、シリーズ(?)の最新作!

今回も新しい発見・斬新な視点があり、参考になった。

 

母親と子どもの関係が異様になってきている。(P48~)

以前は友だち親子が話題になったけど。今や推し活みたいになってる。

子どもが3人いても、そのなかで「気が合う子」「気の合わない子」に分かれ、その内の1人だけオキニ(お気に入り)で、その子とだけ出かけたりお金かけたりする。

 

中でも目から鱗だったのは、この部分。

【データでは、高校生以上で「料理」をする(料理ができる)子どもは圧倒的に男の子で、調理のアルバイト経験者であることが分かっている。女の子のアルバイトは飲食店でもフロアサービス中心で、男の子は厨房経験者が多いことと関係するようだ。(P58)】

女の子は厨房を希望してもホール(フロア)に回されてしまうんだ!

確かに病院の受付・サービスカウンターの受付・レジなど接客業務は女性ばかり。

他の会社を訪問した時に、窓口にいるのもお茶出ししてくれるのも必ず女性。

不思議に感じてた。

バイトで厨房希望でもホールに回されるのが女性というものなのか。

 

10 ダイニングテーブル(食事用テーブル)の項目も、なるほどねぇと思った。(P90)

多くのダイニングテーブルは4人がけ。そこからあぶれた人は家族からもはじかれてしまうんだなと。

子どもの人数が増えても、椅子を増やしたりしないし。

うちも椅子が1脚壊れた時に、椅子を買い足すことはせずに、交代で食べて済ませていたよ。

 

結局人間は楽な方に流される生き物。

使ったら洗わないといけないなら、最初から使わないし。

誘っても断る人は誘わなくなるし、相手にするのが時間の無駄。

【食事の偏りも、すべてストレスが原因。(中略)しかし「何によるストレスか」を尋ねて具体的に答えられた人にはまだ会っていない。しいて言えば、やりたいことをやりたいようにさせてくれない家族や職場、人間関係を挙げる人が多かった。(P131)】

やりやいようにできないってかなりのストレスじゃない?

飲食店でトイレ1つしかない場所で、トイレに行きたい時に中に入っている人がいたり。

書店やレンタル店などで店内の在庫検索機を使いたい時に、使っている人がいたり。

スーパーで洗剤を取りたいのに、棚の前でじっくり見比べて吟味している人がいると、ストレスとまでは言わないけど、う~ん。。。となる。

少し時間を空けてまた再度その場所(トイレ・検索機・棚)に行ってみたら、また違う人がいたりすると、もういいわ~となる。

あと、他人と生活していると全てのやり方が違いすぎて、びっくりする。

 

【単身赴任や交代制勤務の夫の恒常的な不在を前提に、妻は実家に入り浸って「娘返り」したり(P145)】が衝撃的。赤ちゃん返りはよく聞くけど、「娘返り」もあるんだ。

 

総じて、世の中が便利になったということなのかな。

コンビニで24時間・365日いつでも食べ物が手に入る時代。

食べたい時に、食べたい物を、食べたい量だけ買える。

販売している弁当・惣菜・冷凍食品などの品質も向上しているし。

大雨・大雪でも注目度の高いスポーツの国際試合放送中でも、ウーバーでホットコーヒー1杯でも届けてくれるし。

 

著者は、キューピー株式会社の顧問を2023年9月で辞めたみたい。

あとがきに「体調悪い」みたいなことを書いていた。

 

新刊が発売されるたびに毎回思うことは、著者(岩村暢子氏)の1週間の食卓を見てみたいということ。さぞかし完璧なんだろうね。

1日3食×7日は1度も欠食なく、全て手作りで、温かい物は温かく。冷たい物は冷たく。食卓を花が彩り、季節感あふれ、適した食器や器が並べられ。

他人を批判するのなら、自分はさぞかし完璧な食生活なんだろうねぇ。