2007-01-01から1年間の記事一覧

『大きな熊が来る前に、おやすみ』島本理生

短編3作を収録した1冊。 表題作の「大きな熊が来る前におやすみ」は、父親に幼児期暴力を受けた少女が、成人して彼氏ができ、その彼氏に暴力を振るわれる話。この父親の暴力というのが身体的暴力(殴る・蹴るなど)なのか、性的虐待なのかは読み取れないの…

映画 『プライド in ブルー』

2006年FIFAワールドカップが終了した後で、同じドイツで開かれた‘もう1つのワールドカップ‘その日本代表チームを追ったドキュメンタリー作品。 正式名称は、国際知的障害者スポーツ連盟(INAS-FID)第4回サッカー選手権大会。 要するに知的…

「おいしいハンバーガーのこわい話」 シュローサー・エリック

「ファーストフードが世界を食いつくす」というタイトルで出版された本を、10代向けに書き直したのが本書。ハンバーガー店=主にマクドナルドのことが書かれているんだけど。 食べた物(体内に入れたもの)で体がつくられるということを知らない人っている…

映画「それでもボクはやってない」

最初は主人公が白だと思ってみていたけど、最後の方で考えが変わった。 主人公は26歳のフリーター。先輩の口利きで会社の面接にこぎつけ、面接当日に乗った電車内で痴漢に間違えられ鉄道警察に突き出される。 現行犯逮捕され、そのまま拘留。 逮捕されると…

『バッテリー』 あさのあつこ

巧みたいな小学6年生(の春休み・4月から中1)っているのかなぁ。 あまりにも自信過剰というか、冷めた思考というか。 弟とは2歳の年の差なのに、もっと差があるような違和感。 母親は野球が嫌いなのに子どもにブルーウェーブ(青波)なんて名づけるかな…

「パレード」 吉田修一

5人の男女が共同生活する話。(男3人・女2人) 最後の最後で、直樹が通り魔的に女性を殴っているのをサトルに止められる描写に愕然。 これって必要なシーンなの? 唐突に出てきて、何故こんな話の展開になるのか理解できない。 その前から「最近、不審者…

「ヘビイチゴ・サナトリウム」 ほしおさなえ

5人の女性の飛び降り自殺し、1人の男性が殺害された話。 。嫁前、中高一貫の女子高校である私立白鳩学園の国語教師・宮坂雅弘の妻である宮坂緑がマンションの屋上から飛び降り自殺をする。宮坂と緑は同じ西桜(せいおう)大学の文芸サークルで、宮坂は文学…

映画 『嫌われ松子の一生』

小説を読んでから映画観たので、その落差に驚き。 小説は現実、映像はメルヘン(ファンタジー)になっていた。 話は大筋で小説に沿っていたけど、細かい所が違っていたなー。 小説では笙(瑛太)の彼女の明日香(柴咲コウ)は医師になろうとするのに、映画で…

「包帯クラブ」 天童荒太

「いるのよ、代わりはいっぱいね。そのことを証明してみせようか。いまから死ぬよ。でも、いい、ワラよく見ててね、何も変わらないから。世界は少しも変わらない。」 『世界は少しも変わらない。』 かなり深いセリフですなぁ。 でも、何も行動しなないでただ…

愛ルケ

映画「愛の流刑地」見ました。 豊川悦司と寺島しのぶのプロモを見ているような感じ。生活感がなかったなぁ。 1月27日(土)のスマステ・月1ゴローで、イナゴローはこの映画のことを「女性の為のエロ本ですね」とバッサリ切っていた。おぉ~そう来たかっ…

「失われた町」 三崎亜記

設定でガチガチに固められていて、感情移入できなかった。 登場人物も芝居がかっていたし。 「私はそんなことで自分が穢れるなんて思っていないから」(P282)という由佳。 こんなこと女子高校生は言わないから! 表紙の中央、川で釣りしている人が最初…

「エバーグリーン」 豊島ミホ

女サイド:松田綾子と男サイド:宮本シンの目線で語られる青春群像物語。 漫画家の夢を叶えた綾子とミュージシャンの夢破れリネン会社に勤務するシン。 そういえば同じ著者の「猫のように」では重(40歳・男性)の母親の名前が松田アヤだったなぁ。 おっ!…

「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦

表紙の絵がアジカンのCDジャケットを描いている中村祐介さんによるもの。 日日日「ピーターパン・エンドロール」の表紙も中村さん描いていたよね~。 アジカンのCDジャケで名を売って、今度は本の装画に進出かぁ。 大学1年生の黒髪の乙女に恋をする、先…

「続・嫌われ松子の一生 ゴールデンタイム」 山田宗樹

タイトル通り「嫌われ松子の一生」の続きです。 そこで、なんとなく松子を死に至らしめた少年少女サイドの話かなぁ~と思っていたら、全く違った。 あのコたちは一体どこへいってしまったのやら。 あの少年少女の話は一切登場しなかったよぉ。 それがちょっ…

「グルメな女と優しい男」 望月あんね

うーん。本谷有希子のパクリ文体っぽい。←辛口かな? 文章がニセモノっぽく感じる。なんだろう。「無理している感」があるんだよね~。 りん子の勤務する学生服を扱う店(本社)。女子社員がこんなにふざけていいのなら、この会社に自分も勤めてみたいもんだ…