『錦帯橋架け替え全記録』 井上和博

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錦帯橋架け替え全記録』 井上和博 
発行:アップフロントブックス 発売:ワニブックス   2500円+税


現代に、この形の橋って必要なのかなぁ。コンクリの橋でいいじゃん!と思ったり。
 実際に架け替えをした大工と釘を製作した鍛冶職人を1人1人クローズアップした写真と挑戦の記録。
50年ぶりの架け替えはまず解体から始まる。それが大工たちの手ではなく解体作業の専門家がチェーンソーでぶった切っていくのだから、大工の心中穏やかじゃないだろうなぁと心配したり。結局は市役所の仕事(タテワリ事務仕事)だからそうなっちゃうんだけど、粋じゃないね。
 しかし、この平成の架け替えは岩国市の事業だと知って意外に思った。日本国や山口県が主体じゃないのか。国・県・市のそれぞれの違いにどんな意味があるのか分からんが。総工費役26億円のうち20億円は昭和41年から錦帯橋の渡橋料を徴収したお金でまかない、後は国からの助成金らしい。
渡橋料だけで20億円も(約35年で)集まるものなんだぁ~と素直に感心。
 さて、架け替えられた新しい錦帯橋を小学生がランドセルを背負って渡り、通学してるの。えっ!君たちその橋は日本三名橋のひとつなんだよ。それ分かって渡っているのかぁ~と声をかけたくなるほど。
中でもP32の鳩の写真がいい。橋とはあんまり関係ないけど、そこがいいの。
今回参加した大工の中で最も若い1985年生まれの宮本くん、1986年生まれの森川くんの10代コンビ。2人は中学の同級生で、なんと初仕事が錦帯橋の架け替えだったというから将来は大物の予感大。今も大工を続けているのかなぁ。安易に次の架け替え(50年後)は君たちがリーダー(大工は棟梁か)になって皆を引っ張ってゆくのだっ!なんてことは言わないよ。職業の選択は自由だからね。
 でも50年後に今の橋がもう使えなくなったら、またこの木造アーチ状の橋にするのかな。その時は自分が払った渡橋料300円も使われるのかと思ったら感慨深いものがあるな。うん。
もうコンクリ橋でいいんじゃない?とも思うが。だってさ錦帯橋のそもそもの目的は「流されない橋を作る」というのが大義名分でしょう。コンクリの橋でも十分頑丈なのでは?となりの橋はコンクリじゃん。と言ってみたり。でもまぁ所詮は他県人のたわごとですから岩国市の方々は気になさらないでください。
日本三名橋のメンツにかけて!