『女たちは二度遊ぶ』 吉田修一

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 女性との出会いと別れを描いた11の短編を収録。連作小説ではない。
現代を描くのではなくて、ちょいと昔の話が多かった。公衆電話が幅を利かせていた時代やメールなんてない時代の話。世の中は携帯電話の出現で人間関係も大きく変わったんだなぁ。

 3作目『自己破産の女』で登場する真理という女性の言動が、なんとなく梨花っぽい。思わずにやり☆
P63~「たとえば一ヶ月に百万円使えれば、百万円の生活をし、一ヶ月に十五万円しかなければ、十五万円の生活をする。上も見なければ~」という文章があるんだけど、これ何故かP65にも同じ文章が出てくるの。これってミスじゃない?ちなみに読んだのは初版本。

 吉田修一って人と人との出会いを書くのがうまいよね。
人は人とどう関わっていくのか、人との距離の取り方など微妙な描写がうまいよ。人の無意識の行動に意味を見出すというか。
吉田さんちの修一さん。最近、生え際がどんどん後退していってるような....心配です。
新刊「初恋温泉」もチェックせねば。