『チョコ。』 後藤彩

イメージ 1

『チョコ。』後藤彩 碧天舎 2005年2月刊 第三回碧天文芸大賞最優秀賞 作品。
高校1年生の江口美佐はクラスメイトの井川が気になる。しかし井川は両親から虐待(身体的暴力)を受けていて生傷が絶えない。何かしてあげられないかと悩む美佐。う~ん。そこら辺の人物描写にリアリティが感じられん。うじうじ泣いたり悩んでないで、児相に通報せよ!とツッコミ入れたくなったよ。(児相が即、動くかは分からないが)
最終的に井川が虐待されていることを知った大人は、美佐ママ・校長・担任・相談室の金子さん・(井川の入院した病院の)看護師さんと最低5人はいるのに誰も児相・福祉事務所に通報しないの!え―っ。そんなのありえるのか?児童虐待防止法第六条があるじゃない。美佐ママも学校が何の対応も取らないと分かったら即切り替えて、児相か福祉事務所に通報すればいいのにさ。しかも養護教諭(保健室の先生)が美佐に「井川君、この所ずっと休んでるみたいね。よく怪我して冷やすためにここから氷を持ってったから気になってる」なんて言うのさ。通常、養教なら児童・生徒の怪我が多い=いじめや虐待などを疑うべきでしょう!児童虐待防止法第五条もあるんだし。最後には遺体を行政解剖をしたんだろうねぇ~などと、いろいろとツッコミ入れまくり。感情論だけで突っ走って書いたっぽいなぁ。もっと下調べしてから書いた方いいよ~。
カバー折返しに著者近影が載ってるの。かなりカワイイ。第38回文芸賞受賞時のりさ級。(芸の漢字がコレしか出ず)1988年岐阜県生まれ。岐阜出身作家といえば中村航(ナカコー)さん。おっと、なんだか話が逸れそうなのでこの辺で終了。まぁ高校生くらいまでなら感情移入できて読めるんじゃないの~。


付録:児童虐待防止法―平成12年5月24日公布・平成12年11月20日施行
児童虐待防止法第六条(児童虐待に係る通告義務)児童虐待を受けた児童を発見した者は、速やかに、これを児童福祉法第二十五条の規定により通告しなければならない。
児童虐待防止法第五条(児童虐待の早期発見)学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、弁護士、その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。(ちなみに児童福祉法での児童の定義は「満18歳に達するまでの者」と定められている。)