『いい子は家で』 青木淳悟

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3編から構成される家族小説。

「いい子は家で」
この主人公はニートなのかな。学生でもないようだし、会社に勤務しているわけでもないし。
しかし親に国民年金を支払ってもらっているようだから成人しているわけで。
それがこの家族のなかで一番の問題点だと思うよ。うん。
主人公はそんな現実から逃避するためか(?)人には見えないものが見えたり。(笑)
ちょっとファンタジーが入り混じっていた。


「ふるさと以外のことは知らない」
タイトルと内容があってないと思うなぁ。「実家以外のことは知らない」だったらいいかも。
あっ!「ふるさと=実家」という解釈をするのなら、このタイトルでもいいのか。



「市街地の家」
18ページしかないけど、3編のなかでは一番生活感があったような・・・・・。
しかし亭主関白すぎるこんな男性は今もいるのかなぁ?
50代夫婦+20歳程度の息子の計3人家族らしきことが、文脈から伺える。
専業主婦の妻は夫に出したサラダと共に、マヨネーズを皿に絞り、ドレッシングを2本振ってあげるの。そこまでする?
そして息子は父の布団を敷いてあげるし。おーい。


父:「ブロッコリー、ちょっと柔らかいな」
父:「ブロッコリーさんが柔らかいね」
息子:「カリフラワーだし」
父:「だからカリフラワーが茹だり過ぎだっていってんだろ?」 (p161)

自分は食べるだけ専門なのに、こんなこと言われたくないなー。
こんな夫&父親だったら嫌だなぁ。


実際に著者の母上は、専業主婦なのかなぁ~と思ったり。