『クローバー』 島本理生

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華子と冬治は20歳の双子の姉弟。静岡の実家を出て、大学(別々の学校)に通う為に都内のアパで2人暮らしをしている。
華子は男をとっかえひっかえ。それに比べ冬治は、高校生の時に付き合っていた(と本人は思っている)2歳年上の朝比奈さんのことを未だに引きずっている。
そんな双子にも新たな出会いが訪れる。
華子は飲み会で出会った20代半ばの熊野さん(本名:細野有季・職業:公務員)にストーカーまがいの行為をされ、拒んでも冷たくしても追いかけてくる彼に遂に根負けしたり。
冬治は同じ学科のもっさりとした雪村さん(実家:埼玉県草加市)に、重いアプローチをされたり。
華子&冬治の従兄弟である3歳年下の史弥(華子&冬治の母親と史弥の父親が兄弟)が突然やって来て、かき回していったり。そして冬治&雪村さんと同じ学科のチャラ男・藤森がいい味だしてるなぁ。


そういえば文中にまた‘憮然‘を使っていたなぁ。(P92とP153)島本理生はこの言葉をよく使うよね~。癖なのかな。島本理生の小説を読むときに「憮然は何回出てくるかしら~」と数える楽しみがあったりw。


冬治が「僕、前は好きでよくCDを聴いていたミュージシャンがいたんです。(中略)だけどあるとき、突然、好きじゃなくなったんです(中略)聴いていた歌詞の中に、将来が国家公務員なんて夢がないことを言うなってフレーズがあったんです。それを聴いたとき、僕はすごく嫌な気分になったんです。(後略)」(P206)という文章があるの。これって宇多田ヒカル『Keep Tryin`』の歌詞のことだよね(笑)。


一言でいうなら、島本理生のラブコメ小説。