「精神保健福祉援助演習(専門)」レポート②

パソコンのデータ整理をしていて、昔のレポートを発見!

供養として載せちゃいます。

 

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設題:精神病院において、入院中及び外来通院中の患者の家族に対して、心理教育による家族教室を実施する場合、その方法と留意点について述べなさい。

 

 

 心理教育の対象者として、本人を対象とした心理教育・本人+家族が参加する「単家族心理教育」・家族が複数組参加する「複合家族グループ」などいくつかの形態に分かれている。

 心理教育プログラムの構成要素は「教育プログラム」「グループワーク」「対処術習得プログラム」があり、それらの組合せによりいくつかのタイプに分けられる。

「教育プログラム」では、精神疾患や症状に関する情報・薬物療法などの治療法や種類・利用できるサービスや社会資源の提示・本人に対する家族の対処法の伝授(コミュニケーションのコツ・症状への対処法)・家族自身のストレスマネジメントなどの知識や情報を家族と共有する。テキストによる講義だけでなくDVDやパワーポイントなども使用する。

 「グループワーク」では対処技能の向上を目指す。国府台方式のグループワークでは【①グループのルール、進め方の確認②ウォーミングアップ③相談したいことを言いましょう④今日の話題を決めましょう⑤話題について、みんなで取り組みましょう⑥ここで、どんなことがわかる・できるようになるとよいか教えてください(目標の設定)⑦アイディアを出し合いましょう⑧自分に役に立ちそうなアイディアを選びましょう⑨感想を言って終わりにしましょう】という流れになっている。※1

 患者の家族に対して心理教育による家族教室を実施する場合の方法としては、1回の参加者は10名程度で事前予約申込制。月1回2時間程度。計5~6回を1クールとする。  スタッフはリーダー・コリーダー・板書係の3名。(コリーダーはリーダーや板書係を補助しグループ内の相互作用が活性化するように関わる)

 「教育プログラム」45分+休憩10分+「グループワーク」45分の構成とし、適宜配分調整。「教育プログラム」では一方的な講義にならないように注意が必要である。内容が理解しやすいように専門用語は使わずに具体的な言葉や図で伝えるなどの工夫をする。

 「グループワーク」では、困っていること・知りたいこと・聞いてみたいことなどから共通した話題や興味のある話題に焦点を当てて解決思考型グループワークを実施する。最初に参加者同士の非難や誹謗中傷・原因探しとならないようルールや進め方などを明確に提示しておき、参加者が安心して参加できるようにする。

 他にも場の雰囲気を和ませる工夫をする(例:季節の花を飾る・お茶や茶菓子の用意)。参加者が体験を踏まえて自分の言葉で話せるように発言を促す。1人だけ長く発言するのではなく1周するように話を振る。

 家族教室には、わかち合い・学び合い・働きかけ(運動)の3つの機能がある。

 家族会といえば、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(1997年設立)や宙の会(殺人事件被害者遺族の会・2009年設立)程度の知識しかなかったが、多種多様な会があることを知った。

 

※1【  】内引用【引用文献】

・「最新 精神保健福祉士養成講座3 精神障害リハビリテーション論」

一般社団法人 日本精神福祉士養成校協会 編集

中央法規 2016年2月刊 第2版(P146)

 

【参考文献】

・「最新 精神保健福祉士養成講座1 精神医学と精神医療」

一般社団法人 日本精神福祉士養成校協会 編集

中央法規 2016年2月刊 第2版(P219~220)

 

・「最新 精神保健福祉士養成講座3 精神障害リハビリテーション論」

一般社団法人 日本精神福祉士養成校協会 編集

中央法規 2016年2月刊 第2版(P143~147・P184~194)

 

・「ユースアドバイザー育成プログラム」改訂版 テキスト

内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年支援担当

2010年3月刊 (第5章 第7節)

 

・「心理教育・家族教室ネットワーク ニューズレター 2号」

心理教育・家族教室ネットワーク 発行 (発行日不詳)

http://www.jnpf.net/No2.html

 

・「心理教育を中心とした心理社会的援助プログラムガイドライン

浦田重治郎 2004年1月

https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/documents/psycho_education_guide_line.pdf