「精神保健福祉援助演習(専門)」レポート①

パソコンのデータ整理をしていて、昔のレポートを発見!

供養として載せちゃいます。

 

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設題:ストレングスモデルに基づくアセスメントとは何か、またどのような点に留意しながら支援計画を立てればよいか述べなさい。

 

 1970年代にカンザス大学のラップらが、ケースマネジメント領域においてエンパワメントモデルをベースに新たな実践モデルであるストロングスモデルを生み出した。ストレングスモデルとは「リカバリー(その人の人生をとりもどすこと)」のために「アスピレーション(熱望・夢・希望)」に重点を置き「個人の強み(性格・関心事・才能・得意分野・環境・過去・現在・未来のすべての実験体験を含む)」と「地域の強み」を活用し、新たな生活設計や具体化を図ろうとするものである。

 それまでの病気や障害の克服に焦点を当てた医学モデルや社会福祉モデルから、個人のアスピレーション(夢・希望)や潜在能力を最大限に尊重し、その実現のために医療や福祉サービスが貢献するリカバリーモデルの転換点となった。

 ストレングスモデルの基盤には【①人はリカバリーし、生活を改善し、高めることができ②焦点は欠陥ではなく、個人のストレングスである③地域を資源のオアシスと捉える④クライエントこそが支援過程の監督者である⑤ケースマネジャーとクライエントの関係性が根本であり本質である⑥われわれの仕事の主要な場所は地域である】という6つの原則がある。※1

 一方アセスメントとは、ケアマネジメントに於いて利用者の状態や生活環境などを情報収集・総合的に分析し、利用者が抱えている課題を明確化することである。これを基に支援計画が作成される。つまりストレングスモデルに基づくアセスメントとは、個人のストレングス(強み・長所)に焦点を当てた評価・課題分析のことである。

 ストレングスモデルに基づく支援計画を立てる際は、初期状態の把握・基本的ニーズの把握・課題の整理の手順を踏む。何事もニーズに基づいた本人中心の支援が基盤となる。

 初期状態の把握で面接する場合は、話しやすい環境を整え傾聴する・課題を把握し、事業やサービス内容の説明をし、安易な対応はしない。自分の事業所で無理な場合は他のサービスを紹介するなど今後の支援につなげていくことが重要である。

 特に意思疎通に困難を有する対象者の場合はアセスメント・ニーズ把握に留意が必要である。主訴や表出された言葉・意志をそのまま受け取るのではなく、その意味や背景を探る質問を多用し多角的に捉える必要がある。また多職種からの視点も重要である。

 他にも本人主体・優先順位・課題解決のための役割の明確化・達成時期を意識する・公的支援に加えインフォーマルサービスなど他の支援方法の検討・支援システムの再構築などの課題を整理していく。また些細なことでも記録する。記録がない=支援をしていないと捉えられることにも注意する必要がある。

 

 

※1【 】内引用 【引用文献】

・平成 30 年度兵庫県相談支援フォーローアップ西播磨圏域研修会

「地域の中でその人らしく暮らすために~支えるチームづくり~」

武庫川女子大学 文学部心理・社会福祉学科 松端 克文

https://web.pref.hyogo.lg.jp/whk06/kikakuka/documents/matsunohana2.pdf

 

【参考文献】

・「最新 精神福祉士養成講座8 精神保健福祉援助演習(基礎・専門)」

一般社団法人 日本精神福祉士養成校協会 編集

中央法規 2016年2月刊 第2版(P209~214)

 

・令和元年度 相談支援従事者指導者養成研修

「相談支援における ケアマネジメントの手法とプロセス」

http://www.rehab.go.jp/College/japanese/kenshu/2019/files/soudanshien_231267.pdf

 

 

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 参考文献のところにページ数を記載しているのは何故ですか?と訊かれることがあるのですが、採点講師に向けてのアピール「このページを参考にしたのです!」という主張ではありません。 

 レポが不合格になって再提出になった時に、再度、書籍の巻末索引をめくって「ストレングス」の項目を探すのがめんどいからです。

この場合↑上記の本のP209~214をすぐに開けるよう、自分のために記載しているのです。