「心理学研究法」レポート

 

課題:原則的な研究の流れについて要約レポートを作成しなさい。その際、【独立変数】【従属変数】【仮説】【構成概念】という4つの用語を必ず用いること。

 

 心理学の研究は一般に「問題・目的→方法→結果→考察」という、問いから検証へと進んでいく。「どうして○○なのだろう?原因は何だろう?」という疑問から要因を絞り、その要因を使った仮説を組み立てて実際に確かめてみることが研究の基本的な形である。「○○(原因)だから△△(結果)になるのだろうか?」という仮の答えを含んだ問いがいわゆる仮説と呼ばれるもの。

 研究の流れとしては、まず独立変数と従属変数を設定することから始まる。両方に変数がついているが、変数とは場面・条件などによって値が変わるもののことを指す。独立変数とは、実験者が操作可能で仮説に対応した変数のことである。そして従属変数とは、独立変数によって変化する変数のことである。複数の従属変数が存在する可能性(場合)がある。独立変数の変化が従属変数にどのような影響を与えるのかが問題となり、独立変数を原因、従属変数を結果として見ることもある。

 そしてこれ以外にも剰余変数を確認する必要性がある。剰余変数とは独立変数以外の、従属変数に影響する変数のことである。例えるのならばマラソンのレースで3位だったとする。「どうして1位を取れなかったのだろう?」という疑問が湧く。練習量・気象条件・コース難易度などの複数項目が独立変数(原因)としてあげられる場合、3位という成績を従属変数(結果)として仮説を立てることができる。しかしそこには緊張度合・応援などの従属変数に影響する目に見えない余剰変数というものが存在している。このように原因=結果という安易な図式以外にも、他にも加味する部分があることは忘れてはならない。

 このように研究する上での基本的な問いを立てて、仮説を考えるという作業が心理学研究法として重要である。

 研究法としては面接法・観察法・質問紙法など様々なものがあるが、どれを用いるとしても構想概念の具体化が必要である。構想概念とは、人の行動やさまざまな事柄のメカニズムを説明する際に、そういうものがあると仮定することによって、説明を可能にするために設定される概念のことである。例えば愛情や友情・好意といった感情は全く目には見えないが、試合後の夕食に母親が子どもに好物を出してあげたり、大事な試験で消しゴムを忘れた友人に予備で持っていた消しゴムを1個貸してあげるといった行為は、好意の表われだろう。このように構成概念というのは直接的には観察できない概念でありその実態はないが、観察可能な事象(行動)から理論的に構成される概念のことである。例としてはストレス・満足度・雰囲気・共感性といったものがあげられる。

 心理学研究においては大まかに、構想概念を具体化した仮説を立て、独立変数と従属変数を決めて実験するという研究の流れがある。

 最後に、自分にとって最も関心がある研究対象は学生のいじめ自殺や若い社会人のパワハラ・セクハラ・過労自殺である。「いじめ(独立変数)があったから自殺(従属変数)したのか?」「長時間労働・過労・パワハラ(独立変数)があったから自殺(従属変数)したのか?」だが、これに答えはあるのだろうか?と考えてしまう。人間は1人1人が遺伝・生育環境・家族関係・容姿・性格・ポリシーも何もかもが全く異なっていて、同じこと(行為)をされても全く平気な人もいるし、ダメージが深刻な人間もいる。心理学的にこの研究をしたとして、答えを出せる人間が果たしているのだろうかと感じる。遺書というには忍びないあまりにも感情むき出しのノートや手帳へ殴り書きした心の叫び(文字)を見るたびに、何故もっと心理学が自殺予防に活用されないのか疑問に感じる。

(1487字)

 

 

********

 

か~なり昔に書いたレポートです。

パソコンを処分するので供養に投稿。(削除する前に投稿)

成仏してね。