津村記久子 『二度寝とは、遠くにありて想うもの』

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これは津村記久子のエッセイ集である。
エッセイ『やりたいことは二度寝だけ』に続く、津村記久子のエッセイ第2弾!


津村記久子のことを好ましいと感じるのは、この人の書く文章の本質が、働くことに基軸を置いているからだと思う。
働くことは生きることに繋がっているし、食べることは生きることに繋がっている。
どう働くかということはどう生きるかであり、明日何を食べようか?と考えを巡らすことは明日どう生きるか?に繋がっていると思う。

このエッセイの中で津村は【「働くこと」は、様々な人間が生きている上での行動の中で、自尊心と金銭を同時に得られる数少ない手段なのだと思う。】(P213)と語っている。

他にも【痛みを明るく軽く弾けるような表現に、瞬時に異化できるものは音楽だけである。】(P95)と書いているのだが、音楽以外にも「笑い」がこれに該当するんじゃないかと思う。
ゴーストライター騒動後の新垣隆さんなんかがいい事例?だと思うけどなぁ。


2005年に津村記久生「マンイータ」で第21回太宰治賞を受賞。
単行本化にあたり『君は永遠にそいつらより若い』に改題・津村記久子に改名して小説家デビュー!
あれから10年。いい作家さんになったな~と感じる。

無縁死は嫌だと書いているので、独居老人になったら一軒家を借りていろんな人と生活してみるのもいいかもね。シェアハウスみたいにして。自分もそこに混ざりたい。

津村記久子又吉直樹の対談が見てみたい!(熱望)